飲ませようとしたのは誰?【上司編】

(会社の会議室にて)

では、これで会議は終わります。

(出席者、全員席を立つ)

あっ!君!
話があるので、このまま残ってもらってもいいですか?

(彼氏、彼女ではない部下から話しかけられる)

(部下に対して)ん?
どうしました?

『急ぎの書類』?

(溜息)はぁ…。
期限ギリギリにならないようにしなさいと何度も言っているでしょう。

彼女との話が終わり次第確認しますので、僕のデスクに置いておいてください。
もちろん、誤字・脱字などないようにしっかり確認して、ですよ。

(出席者が全員出て行って、オートロックがかかる)

(彼氏と2人きりになる)

さて……今日は、どうしたんですか?
君らしくないですよ。
ずっとうわの空でしたし…。

何か気がかりなことでもあるんですか?
僕でよければ、話を聞きますよ。

(彼女、『大丈夫』と言って離れようとする)

『大丈夫』…?

君のどこを見れば大丈夫なように見えますか?
僕には、どことなく体調が悪いように見えます。

心配かけたくなくて話したくない気持ちは分かりますが、このあとの業務もあります。
周りへの影響なども考慮して、今のうちに話してはくれませんか?

……だんまり、ですか…。
僕には話す気がないってことでいいんですね?

分かりました。
君がその気なら、僕にも考えがあります。

(強引な濃厚なキス)※キスしたまま

……大丈夫。
この会議室はオートロックですし、しばらく僕がおさえてるので、誰かが入ってくる心配はないです。

さぁ。
やめてほしければ、話しなさい。
でなければ、やめませんよ。

(彼女、白状する)

(キス終わり)

『体が熱い』、ですか…?
風邪のひき始めとかでは…。

『貰った栄養ドリンクを飲んでから、おかしくなった』…?

どういうことですか?
誰から貰ったんですか?
全部話してください。

(相槌数回)

そういうことですか…。

だったら、貴女の体が熱いのは…。

(彼氏、彼女の体に触れる)

(彼女、エッチぃ声が漏れる)

(独り言っぽく)…やはり、そうですよね…。

栄養ドリンクに媚薬を盛られたんですよ。
貰った相手にね。

日頃から僕が言っているでしょう?
「人から貰うものには口をつけてはならない」と。

既製品とか手作りとか関係ないんです。
自分の手元にくるまでに、どこで何をされているか分からないんですよ?
なのに、貴女ときたら警戒もせずに口をつけた結果、こんなことになって…。

謝るくらいなら、今後人から貰ったものには一切口をつけないでください。
分かりましたね?

では、今日はもう帰りなさい。
こんな状態では業務どころの話ではないですから…。
体調不良ということにしておきます。

いや、いや、いや…。
お子様でもあるまいし、どうして僕まで一緒に帰らないといけないんですか?
急ぎの書類の確認とか、ほかにもまだ仕事がたくさん残ってるんです。
それらをほったらかしにして、自分の世話をしろなんて……言うようになりましたね。

でも、まぁ……一緒に帰ってあげなくもないです。
今の君を一人で帰すのも心配ですし…。

とはいえ、ただで一緒に帰ってはあげません。

一緒に帰ってほしければ、きちんと”お願い”をしてください。

できるでしょう?
何度も教えたんですから…。

(彼女、彼氏にお願いする)

よくできました。
一緒に帰りましょうね。

でも、その前に少し時間をください。
至急の仕事だけは終わらせないとなりませんから…。

そうですね……30分もあれば片付くと思いますので、それまでトイレに隠れて待っていてください。
諸々終わったら連絡します。

(彼女、不服そうな様子を露わにする)

不服そうですね。
1分、1秒も待てないほどに僕が欲しいんですか?

(彼女、彼氏を欲しがる)

たまらないですね。
貴女が僕をここまで欲しがってくれるなんて…。

ただし、今は”待て”です。

いいですね?

(彼女、しぶしぶ頷く)

いい子。

(触れるだけのキス)

あとで、いっぱいかわいがってあげますから、連絡するまで大人しく待っててください。