発熱を隠そうとした彼女をベッドへ強制連行する彼氏

よーしっ!
大掃除も今日で終わりだな。
気合い入れて、パパッと終わらせるか。
……お前抜きで。

『なんで?』じゃねーよ。
お前、熱出てんだろ?

そんなことなくないっつーの。
体熱いし、目も潤んでる。

うまく隠したつもりだろうけど、俺の目は(誤魔化ごまか)せねーよ。

ったく…。
すぐバレるような嘘()きやがって…。
いつ言い出すかと思って黙ってたけど、このまま隠し通すつもりだったのかよ。

ほら。
さっさと部屋に行け。

大掃除なんかどうでもいいんだよ。
それは俺一人でなんとかする。
お前は布団の中にいろ。

手伝わなくていいって。
マジで。

ってか、お前がいる方が迷惑。
倒れたりしねーか心配だし、熱で思うように体を動かせねー分、足手まといにしかなんねーもん。

(オコな感じで)邪魔だっつってんの。
熱でバカに拍車がかかった?

(イライラしてる溜息)はぁ…。
…しゃーねーな…。

(彼女をお姫様抱っこする)

ガタガタ文句しか言わないバカを布団の中に強制連行する。

(彼女を部屋まで連れて行く)

『ヤダ』っつって抵抗してるけど、全然抵抗になってねーよ。

……ほんとは、体つらいんだろ?

だったら、今は大人しく俺の言うこと聞いとけ。

(彼女の部屋に到着 → 彼女をベッドに置き、布団をかける)

せっかく俺がベッドまで運んでやったんだから、大人しく寝てろ。
で、今日のお前の仕事は熱を下げること。
ただそれだけ。
それ以外はやるな。
いいな?

(カチンときて)『たかが風邪』…?

たしかに、お前はただの風邪をひいただけかもしれない。

けどな、風邪をバカにすんなよ?
こじらせでもしてみろ?
肺炎になって、入院することになるって分かって言ってんの?

(冷静さを取り度して)あ゛ぁ゛ー……今のナシ。

……ごめん。
八つ当たりするようなきつい言い方して、普通に言い過ぎた。

……だってさ、お前が体調崩すなんて、まずないじゃん?
だからか、心配で心配でたまんなくて、落ち着かねー…。

当たり前だろ。
彼女が弱ってるの見て、何とも思わねーヤツじゃねーよ。
代わってやれるもんなら代わってやりてーし、俺にできることならなんだってしてやりてー。

それだけ、お前が大事なんだよ…。
…分かったか?

ん。
なら、とりあえず寝ろ。

スマホ、どこに置いてる?

……机の上?

あった。
一応、枕元にスマホ置いとく。

(言い聞かせるように)でも、これは欲しいもんがあった時とかなんかあった時のためにメッセージ飛ばすためのものであって、寝れねーからって動画見るもんじゃねーからな?

『分かってる』って言ってるくせに、見る気満々な顔すんのやめろ…。
スマホ、取り上げるぞ?

寝れなくても、目(つむ)って体を休めることに集中しろ。

分かったら、返事。

あと、布団からは絶対出るな。
出ていいのは、トイレに行く時だけ。
もし、トイレ以外で布団から出てるのを見つけたら、元気になった時にお仕置きな?

ふふ。
どんなお仕置きかは、その時のお楽しみ。

まぁ、俺がどんなお仕置きが好きか考えれば、なんとなく分かるんじゃね?

じゃぁ、大掃除やってくるわ。

たまに様子見にくるから、いい子で寝てろよ?

(ほっぺにキス)※省略可