(デート中の2人)
ねぇ、ねぇ!
この後さぁ…。
(彼女、そろそろ帰ろうと言う)
えぇー!?
もう帰るの?
ヤダ。
帰りたくない。
(彼女、『もう遅い時間だし…』と言う)
『遅い時間』って言うけど、そこまで遅くなくない?
これからが本番でしょ。
(彼女、『それでも帰ろう?』と彼を諭す)
(拗ねて)むぅ……ケチ…。
まだ一緒にいたいのに、バイバイしなきゃいけないとか寂しいよ…。
君は寂しくないの?
……『寂しい』?
……ほんとに?
だったら、もう少しだけでいいから一緒にいたい。
あと10分……うぅん、5分だけでいいから…。
……ダメ…?
(彼女、仕方なく受け入れる)
やったー!
ありがと!
じゃぁ、ギューしたい。
次会えるまでの充電。
(彼女、誰かに見られるのを気にする)
大丈夫だよ。
誰も僕たちのことなんか、気にしてない。
見てるようで、見てないって。
(彼女、なかなかOKを出さない)
そんなに気にするなら、こっちおいで。
(明かりのない場所に2人で移動する)
周りに明かりのないここなら誰かに見られる心配もないでしょ?
……ギュー、していい?
(彼女、OKを出す)
(彼氏、彼女を抱きしめる)※ 以下、抱きしめたまま。
んふふ。
君の匂い、好き。
甘くていい匂い。
あのさ、前から聞きたかったんだけど……この匂い、香水か何か付けてる?
……付けてなくて、これか…。
(言い訳するように)香水つけないとダメとか、そういうのじゃなくて、今の言葉は、そのぉ……ちょっと心配になっただけ…。
だって、何もつけてなくてこんなにいい匂いさせてたら、悪い虫がいっぱい寄ってきちゃうじゃん。
僕の知らないところで言い寄られたり、危ない目に遭っちゃうかも…。
あ゛ぁ゛……想像だけで気が狂いそう…。
(彼氏、彼女の首筋にキスマをつける)
ん。
うまくついた。
暗くて見えなくても、感覚で分かるよ。
今まで何回つけたと思うの?
ここんとこに、ちゃんとついてる。
僕の印。
(勝手にキスマつけたことを反省して)…勝手につけてごめん。
でも、服で隠れるところだから、許して?
誰かに言い寄られるかも…って思ったら、”僕の”って印つけたくなっちゃった…。
僕の印はつけたけど、変なヤツには絶対ついて行っちゃダメだからね?
見知ったヤツにもついて行っちゃダメだよ?
男なんて、羊の皮を
……さっきまでの僕みたいに、ね?
それはそうと、次、いつ会える?
明日?
明後日?
えぇー!?
来週末!?
来週末まで、ほんの少しも時間作れないの?
……そっか。
分かった…。
君が時間作れないなら、僕から会いに行くね。
君の仕事が終わるまで近くのカフェとかで時間潰して待ってる。
別に何時になってもいいよ。
待つの嫌いじゃないし…。
ヤダ。
1週間も会えないのとか、絶対無理。
……じゃぁ、週の真ん中の水曜にほんの少しでいいから仕事早く上がれない?
1時間でも30分でもいいから。
…君を会社から家まで送っていきたい。
会社から家に帰るまでの君の時間を僕にちょうだい?
ふふ。
ありがと。
さてと、5分経ったことだし、帰ろっか。
(歩き出す2人)
(耳元で)水曜日、楽しみにしてるね。