【R15】彼女のリップの色を見て狼になっちゃった憧れのお兄ちゃん

(車に乗り込む二人)

(車のドアを閉める)

ふぅ…。
荷物積むの手伝ってくれて、ありがと。

疲れてるのに歩かせちゃってごめんね。
ある程度買い込むだろうなぁってあらかじめ予想してたから、入口から遠い、周りに誰も車を停めないような場所に停めたんだ。
その方がドア全開にして荷物を積み入れることになっても、気にしなくてすむでしょ?

とはいえ、実は、途中から不安だったんだよね…。
買いすぎかなぁ、って。

…なんとか荷物積められてよかったぁ…。

(少し間を開ける)

ん?
あぁ……うん。
帰るよ。
…帰るんだけどね……ちょっとだけ待ってもらってもいい?

気持ち悪いとか体調悪いとかじゃなくて、我慢の限界が…。

君のリップの色……前に僕がプレゼントしたヤツだよね?

それプレゼントした時、僕が言ったこと覚えてる?

そ。
「キスしたい」。

付き合い始めてそれなりに経つけど、今まで何もしなかったのは、君の気持ちが僕の気持ちと同じになる時を待ってたから。
ほんとは、君からOKの返事をもらった瞬間にしたかった。
会うたびに、いっぱいしたかった。

……でも、もういいんだよね?
キスされてもいいから、付けてきてくれたって受け取るけど……いい?

(頷く彼女)

(数回触れるだけのキス → 濃厚なリップ音)

ごめん。
今まで我慢してたから、嬉しくて抑えらんなかった…。

あーぁ…涙目にもなっちゃったね…。
せっかくのメイクが台無しになっちゃう…。

息がうまくできなくて苦しいからか、僕の胸トントン叩いて…。
その仕草が、あまりにもかわいすぎるから意地悪しちゃった。

……えっ……『もっと』?
今のキス?

(自分を抑えるような溜息)はぁ…。
(ちょっとイラついてるように)今まで付き合ってきた彼氏たちにも、そんな風におねだりしたの?
潤んだ目のまま上目遣いで…。

別に怒ってないよ。
ただ聞いてるだけ。
どうなの?
したの?してないの?
どっち?

(嬉しそうに)そっか。
してないんだ…。

じゃぁ、今のおねだりは、僕が初めてってこと?

ふぅーん。
僕とのキスが気持ちよくて、もっと欲しくなっちゃったんだ…。

ふふ。
なら、全力で君のおねだりに応えてあげないとね。

(濃厚なリップ音)※ しつこく長めにお願いします。

はい。
今はここまで。

シートベルトして。
車出すよ。

…家に着くまでの時間で、心の準備しといてね。
たぶん、荷物下ろさずに家に入って、そのまま君のこと抱き潰しちゃうと思うから。
それくらい我慢の限界…。

「優しいお兄ちゃんじゃない」って前に言ったよね?
好きな子の前では自分で自分を抑えることのできない、ただの男……というより、ただの狼かな。

……もしかしなくても、僕が抱き潰すとかあり得ない!とか思ってる?

どう思おうと君の勝手ではあるけど、ちゃんと心の準備してないと、あとで後悔するのは君だからね?
(耳元で)どうなっても知らないから。

(エンジンをかけて、発進する)