(インターホンが鳴る音)
(玄関で姉ちゃんの母と話す)
こんばんは、おばさん。
これ、母から夏野菜のおすそ分けです。
『親戚から大量に送られてきて食べきれないから貰って』って言ってました。
それで……姉ちゃん、いますか?
寝てる…?
そっか…。
さっき会った時も疲れてるみたいだったし……出直します。
……起こしちゃっていいんですか?
……あぁ…たしかに…。
姉ちゃん、俺が起こすと、すんなり起きてくれますもんね。
分かりました。
姉ちゃんを起こし隊の隊長として、バッチリ起こしますね。
お邪魔しまーす。
(玄関からリビングに移動)
(ソファーで寝てる姉ちゃんを見つけて近づく)
姉ちゃん。
姉ちゃんってば。
そろそろ起きないと、夜寝れなくなるよ?
幻なわけないでしょ。
こうやって触れてるんだから。
ん。
おはよ。
母さんのおつかいで、夏野菜のおすそ分けしに来たんだよ。
そしたら、姉ちゃんが寝てるから起こしてほしいっておばさんに助け求められて、起こしてあげたってわけ。
姉ちゃん、寝起き超悪いから…。
ほら。
体起こして。
じゃないと、すぐ二度寝するじゃん。
今まで何度姉ちゃんのこと起こしたと思ってんの?
姉ちゃんのことなら、何でも知ってるよ。
『ん』って何?
大人なんだから、一人で起きれるでしょ?
(溜息)はぁ…。
ったく…。
起こしてあげるけど、ちゃんと首の後ろに腕回して。
危ないから言ってんの。
俺のいうこと聞かないなら、起こしてあげない。
(素直に腕を回す姉ちゃん)
……腕、離しちゃダメだよ?
いくよ?
…よいしょ……っと…。
(姉ちゃんを抱き起こす)
あぁ、もう!
ぐでぇーってしないで、真っ直ぐ座って!
まだ眠いのは分かるけど、ちゃんと目開けて!
ん?
うぅん。
まだ帰んないよ。
姉ちゃんに話があって来たんだもん。
明日さ……もしよかったら、出かけない?
いいの!?
マジで!?
じゃぁ、水族館行こ!
今、プレゼントキャンペーンやってて、それがどうしても欲しくて…。
学校のヤツらじゃダメ。
姉ちゃんとじゃないと…。
……っ!
ありがと!!
姉ちゃん、大好きっ!
チケットは俺が準備するから。
あとは、待ち合わせの時間と場所だけど…。
はぁ!?
姉ちゃん、お出かけの意味分かってる?
デートなんだよ?
デート。
現地集合とかムードの
明日10時に迎えに行く。
ヤダ。
絶対迎えに行く。
だって、姉ちゃん寝坊してるかもしれないでしょ?
『疲れが全然取れない…』とかなんとか言ってさ、布団の中でウダウダしてそうなんだもん。
こっちにいた頃、いつもそうだったし…。
まぁ、俺も普段は昼まで寝てたりするけど、明日に限っては大丈夫。
姉ちゃんと出かけるのに、寝坊なんかしてかっこ悪いとこ見られたくないじゃん。
いいよ。
早起きして、バッチリ決めて迎えに行くから。
(耳元で)いっぱいドキドキさせてあげるから期待してて。
ふふ。
顔真っ赤にして、かわいい。
明日が楽しみすぎて夜更かししないようにね。
さてと……大事な話も終わったことだし、そろそろ帰るよ。
また明日。
おやすみなさい。