おかえりなさい。
うわっ…すっごいお酒臭い…。
『ひどい』って言うなら、こんなにお酒の匂いプンプンさせて帰ってこないで。
ったく…。
どんだけ飲んだの?
…飲みすぎ。
楽しかったのは分かるけど、自分のキャパ、明らかにオーバーしてんじゃん。
そんな状態で、よく帰ってこれたね。
ふぅーん。
まぁ、ちゃんと家に帰ってこれたのは褒めてあげる。
だとしても、今後今日みたいな飲み方は絶対しないこと。
今日はたまたま帰ってこれたからよかったものの、下手したら帰って来れなかったかもしれないんだよ?
…ちゃんと、俺の話聞いてる?
とりあえず『うん、うん』って言ってるようにしか聞こえないんだけど…。
あぁー!待って!
玄関で寝ないで!
寝るなら、ベッドで寝て。
ここで寝たら、体痛くなっちゃうよ?
えぇー!?
連れてってほしいの?
もう…仕方ないなぁ…。
じゃぁ、もうちょっとがんばって起きてて。
連れてってあげるから。
俺の首に腕回して。
しっかりくっついててよ?
(彼女をお姫様だっこする)
ん?
お風呂?
もちろん入ったよ。
だから、いい匂いするのは当たり前。
何言ってんの?
ズルくないでしょ?
明日、起きてからお風呂に入れば、同じ匂いになれるんだし。
ちょっ……首筋に鼻近づけないで。
息がかかって、くすぐったい。
落としてもいいなら、続きをどうぞ。
落とされたくないなら、大人しくジッとしてて。
分かってるくせに、いらぬことばっかするんだから…。
酔ってると、ほんと
はい。
到着。
(彼女をベッドに下ろす)
あっ…ベッドじゃなくて、洗面所が先だったかな?
だって、メイク落とさなきゃいけなくない?
どんなに眠くても、『メイク落とさなきゃ肌トラブルの元になるー!』って言って、メイクだけは落としてるし…。
ほんとにいいの?
あとで大変なことになっても、俺知らないからね?
絶対に俺のせいにしないでよ?
(独り言っぽく)帰ってきてから、ほんと適当なんだから…。
えーっと……着替え…着替え…。
これでいっか。
服、これに着替えて。
着替えくらいは酔ってても自分でできるでしょ?
…なんなの?
帰ってきてから…。
ダル絡みばっかしてくるじゃん。
着替え見たりしないって。
別に見たとしても、もっと恥ずかしい姿見てるんだし、今更じゃない?
はいはい。
分かりましたよ。
見なきゃいいんでしょ。
見なきゃ…。
水取りに行ってくるから、その間に着替えといてね。
…何?
腕
『大事な話』?
シラフの時にまた話してよ。
酔ってる時に話してくれても覚えてないでしょ?
『イヤ!イヤ!』って子供じゃないんだからさ…。
今日は、とりあえず、もう寝なよ。
着替えは俺がしとくから、明日起きてから話そ?
ね?そうしよ?
…ん!?
(彼女からの濃厚なキス)
ちょっと…待って…。
(彼女からの濃厚なキス)
どういうつもり?
急にキスしてくるなんて今までなかったのに…。
あのね……今日はエッチしないよ。
どんなに誘われても、
しないったら、しない!
確かに、適度にお酒入ってる方が大胆ですっごくエッチくて、見てるだけでそういう気分になるから好きだよ。
でも、今の君みたいな酔っ払いを抱くつもりは…。
(エッチぃ感じの濃厚なキス)※長めにお願いします。
……こんなキス、どこで覚えてきたの?
俺ですら、今までしたことないのに…。
(溜息)はぁ…。
あーぁ…ずっと我慢してた俺がバカみたい。
そうだよ。
我慢してたの。
君と付き合ってから今日まで、ずーーーっとね。
ほんとの俺は、君のことめちゃくちゃにしたかった。
涙とか、
『もう無理…』って言われても気持ちいいこと続けて、泣いて、
でも、そんなことしたら、きっと君は俺から離れてっちゃうでしょ?
今の俺は君が思い描く理想の彼氏なんだもん。
付き合う前に言ってたじゃん。
『優しくて、包み込んでくれるような彼氏がいい』って。
だから、我慢してた。
ほんとの俺を隠し続けてきた。
なのに、さっきのキスで思い知ったよ。
君を今まで以上にもっといじめてもいいんだって。
…そういうことじゃなかったの?
だから、あんなキスしてきたんじゃないの?
どっちでもいっか。
そんなこと。
それよりも、俺のこと焚きつけたんだから、最後まで付き合ってくれるよね?
最後は最後。
俺が満足するまでだよ。
君だって抱かれたかったんでしょ?
『シよ…?』って誘ってきたんだし。
大丈夫。
怖いのは最初だけ。
すぐに”気持ちいい”で頭がいっぱいになるから。
思いっきりいじめさせて…?