おっと…あっぶな…。
前見て歩かないとぶつかるよ。
(彼女:「ごめんなさい…」)
って、君か…。
どうしたの?
こんな大きい箱抱えて…。
(彼女:「資料室に運んどいてって言われて…」)
ったく…。
何でもかんでも引き受ければいいってもんじゃないんだよ?
こういう力仕事は、適当に理由つけて断っちゃいな?
いい?
分かったら返事。
ん。
いい子。
……あのさ、朝から思ってたんだけど、動き方ぎこちなくない?
うまく言えないけど、痛いのを
…昨日、なんかあった?
(彼女:「何もないよ」)
何もなくないでしょ。
隠さないの。
(彼女:「…筋肉痛なだけだよ…」)
筋肉痛?
なんで?
(彼女:「ダイエットするために運動を少々…」)
ダイエットのために運動を、か…。
痩せる必要ないっていつも言ってるのに…。
(彼女:「だって…」)
俺さ、「痩せてる子が好き」って今まで言ったことある?
君に対して、「痩せた方がいい」みたいなこと言ったことある?
……それが答え。
俺は、無理にダイエットしてガリガリに痩せてる子より、少し肉が付いてるくらいの方が好き。
ガリガリの子って抱いても硬そうじゃん。
人間ってないもの
男は女の子みたいに柔らかくないから柔らかさを求める。
抱き心地とか、触り心地とかのプニプニ感を…。
その荷物、置いてみて?
(彼女:「すぐ持って行かないと…」)
いいから。
ちょっとサボったってバレないって。
それに、この荷物なら俺が運んであげるから。
ほら。
さっさと置く。
(彼女:言われるままに荷物を置く)
俺の二の腕触ってみて?
で、自分の二の腕触って?
どう?
全然柔らかさが違うでしょ?
(彼女:「…うん」)
俺はこの柔らかさを大事にしたいの。
だから、俺のためだと思ってダイエットするの、やめてくんない?
(彼女:「ヤダ…」)
ふぅーん。
どうしてもやめてくんないんだ…。
なら、分かった。
ダイエットに協力してあげる。
(彼女:「いいの!?」)
君の意思を無視してまで痩せるのやめさせたいわけじゃないからね。
完全ストレスフリーな最高のダイエット法知ってるから、それ試してみる?
食事もお菓子も制限なし、わざわざ運動したりする必要もなし。
いつでもできるんだけど、効果があるのは夜で…。
(彼女:「エッチぃことでしょ?」)
(ちょっと拗ねて)そうだよ。
エッチぃことするんだよ。
いつもよりちょっと激しめのヤツだけど…。
気持ちいいことしながら、ダイエットもできるとか最高でしょ?
(彼女:「そういう問題じゃなくて…」)
そういう問題じゃないなら、どういう問題?
せっかくダイエットするなら、1番効率いいやり方の方がよくない?
まぁ、いいや。
返事は今すぐ決めなくていいよ。
夜までにゆっくり決めて。
どうするかは、君
じゃぁ、俺は荷物運んできちゃうね。
よいしょ……っと…。
これ、どこまで運べばいいの?
(彼女:「資料室まで…」)
資料室ね。
了解。
(耳元で)本気で痩せたいなら、俺に任せて…?