ろろ
voice:ろろ
小鳥遊きの\DEADMAN
voice:小鳥遊きの\DEADMAN
かみしろ
voice:かみしろ

徹夜してまで仕事をする彼女に付き合おうとするパンダ系彼氏

(彼女の部屋のドアをノックする)

そろそろ日付変わるけど、まだ起きてるの?

 (彼女:「うん。まだ終わんなくて…」)

そっか…。
終わんないんだ…。

じゃぁ、ここで終わるの待っててもいい?

 (彼女:「いつ終わるか分かんないから、先寝てて」)

ヤダ。
君を残して先に寝るとか…。

絶対寝ないの、分かってるもん。

 (彼女:「そんなことないよ。ちゃんと寝るよ?」)

うぅん。
絶対寝ないよ。

この間も同じようなこと言ってたくせに、結局徹夜したじゃん。
あの時は確か……3日徹夜したんだっけ?

普通そうな顔して「大丈夫だよ」とか「思ってたより、意外と体力あるのかも」とか、くだらない話してご飯食べてたと思ったら、いきなり意識ぶっ飛ばしたのはどこの誰だったかなぁ?

 (彼女:「……私です…」)

普通に話してる途中で、急に白目むいて意識ぶっ飛ばしてるのを見る恐怖…分かる?
一瞬何が起きたのか全然理解できないくらい頭ん中パニックになったんだよ?

(あせ)ってほっぺ叩いたり呼びかけたりしても全然答えてくれなくて、「救急車呼ばなきゃ…!」って思ったら、怪獣が()えてるのかってくらいのいびきかいて(呑気のんき)にグーグー寝てるし…。

 (彼女:「嘘!?」)

(冗談っぽく)嘘だよ。

 (彼女:怒って叩いてくる)

痛いって。
ごめん。
悪かったから、もう叩かないで。

 (彼女:叩くのをやめるが、まだ機嫌は直っていない)

冗談抜きで、もうあんな思いは、こりごりなの。

だから、君の『先に寝てて』の言葉は信じない。
一緒にベッドまで行って、寝たのを確認してからじゃないと、俺は寝ない。
あとちょっとだろうと、何だろうと、待つったら待つ。
君が徹夜するなら、俺も付き合う。
それで倒れたとしても、構わない。

 (彼女:「…君が倒れるのはイヤ」)

…『俺が倒れるのがイヤ』?

なら、今すぐベッドに行って。
そして、寝て。

 (彼女:「今日はまだ体力あるし、大丈夫だよ?」)

(あきれ果てて)あのねぇー。
今はまだ体力あるように思えるけど、ほんとにヤバくなってからじゃ遅いんだよ?
目に見えるとこにガタがきてるなら分かるけど、見えないとこにガタがきてたら、ほんとにヤバくなるまで分かんないんだよ?
そうなってからじゃ、治るまで時間がかかるかもしれないし、もしかしたら治らないかもしれない…。
そんなの、イヤでしょ?

 (彼女:「ヤダ…」)

だったら、休もうよ。
…ね?

 (彼女:「朝まで一緒にいてくれる?」)

もちろん朝まで一緒だよ。
…今、ギューってする?

(彼女を抱きしめる)

(しみじみと)気付けば、こういうスキンシップもなかったんだよね。

(溜息)はぁ…。
癒されるぅ…。

ねぇ……ひとつ提案があるんだけど…。

 (彼女:「何?」)

えっとね…このまま抱っこして、ベッドまで連れてっちゃダメ?

…だって、抱きしめてたら「もっとくっついていたい」って気持ちが抑えらんなくなっちゃったんだもん。

それだけ君が足りないの。

もうこのまま離れない。
離れたくない。
寝るのも、起きるのもくっついていたい。

 (彼女:「トイレ行く時は?」)

『トイレ行く時』?
トイレ行く時は…どうしよっか?
中まで一緒に入る?

 (彼女:「えっ!?」)

なーんてね。
さすがにそこまでしないって。

 (彼女:再び不機嫌になり、大きい欠伸をする)

ほらほら。
大きい(欠伸あくび)しちゃって…。

(彼女につられて欠伸をする)

(欠伸)ふぁ…。

俺も眠くなってきた…。
ベッド行って、ゆっくり休もっか。

朝までずっと側にいるから、君もずっと側にいてね。