(チャイムの音)
はーい。
(玄関扉を開ける音)
いらっしゃ……い…。
(少し沈黙)
あっ…ごめん。
びっくりしすぎて、思考がフリーズしてた。
だって、君の髪色がこの前と違うんだもん。
とりあえず上がって。
(玄関扉の閉まる音)
来てくれてありがと。
先にソファーに座ってて。
飲み物持ってくから。
今あるのがコーヒー、紅茶、緑茶なんだけど、どれがいい?
ん。
了解。
ちょっとだけ待っててね。
(少し間を開ける)
お待たせ。
(テーブルの上にカップを置く)
ねぇ。
もっと近くで見てもいい?
君の髪。
いつ、変えたの?
へぇー。
そうなんだ。
…少し切った…よね?
(ドヤァな感じで)ふふん。
分かるよ。
彼氏だもん。
髪型も、髪色も全然変じゃない。
すっごく似合ってるよ。
めちゃくちゃかわいい。
触ってもいい?
うわぁ……サラサラじゃん…。
そっか。
トリートメントも、してもらったんだ。
別に今までが
今までもよかったけど、今日は
もう…。
さっきから俺のリアクション見て楽しんでるでしょ?
意地悪する子、
…って言うのは冗談。
大好きだよ。
どっちの色が好き、か…。
「どっちも好き」じゃダメ…?
選べないんだもん。
どっちもかわいいから…。
(触れるだけのリップ音)
へへ。
キスで
あっ!
それよりも、前に見逃したって言ってた映画がサブスクで配信始まったんだって。
今から見よ。
ね?
んー?
別に
いつも通りだよ。
……ごめん。
今の嘘…。
(彼女を抱きしめる)※ 以下、抱きしめたまま。
出会った時からずっと同じ髪色だったじゃん?
前の色で見慣れちゃってるせいもあって、突然髪色が変わったことに俺の頭がバグってついてってなくて…。
君なんだけど、君じゃないみたいな?俺の目の前にいるのは、俺の大好きな彼女のそっくりさんな気がしてて…。
さっきから何か悪いことしてる感じ…。
(彼女と体を離す)
……君が来てくれてからずっと、浮気してる気分…です…。
ちょっとー!
笑わないでよ。
バカみたいな話って思うかもだけど、俺は真剣なんだから。
浮気…?
しないよ!
するわけない!
今のは、あくまで浮気してる気分なだけで、浮気はしないよ。
絶対に。
俺にとっては君以外の女の子は全員モブなんだもん。
そもそも興味がない。
俺の1番は君だけ。
こんなにかわいい彼女がいるのに、よそ見してる暇なんかないよ。
…ね?
ふふ。
ストレートに言葉ぶつけられただけで真っ赤になって…。
ほんと、かわいい。
食べちゃいたい。
(数回触れるだけのリップ音)
…あのさ、ここからは相談なんだけど…映画はまた今度にして、今から君のこと食べてもいいかな?
いっぱいキスしたら、今すぐ欲しくなっちゃった…。
それに、俺が浮気しないってちゃんと分かってもらわないといけないしね。
分かってたら、『浮気するの?』なんて聞かないでしょ?
ダーメ。
体に
俺がどれだけ君のことを好きかって。
…だから、全身で感じ取ってね。