桃々乃ゆずゆ
voice:桃々乃ゆずゆ

兄を前にしても恥ずかしげもなくバスタオル1枚でうろつくツンデレ妹

(妹の部屋にて)

お兄、おかえり。
今日遅くなる日だったの?

なら、連絡してよ。
ご飯の準備とか、いろいろあるんだから…。

ふふん。
いい匂いでしょ?
あたしがご飯作ったんだよ。

もちろん、カレー!

…その顔…文句あるの?

カレーしか作れないんだから仕方ないじゃん。
イヤなら、お兄が作ってよ。

ん?
お父さんとお母さん?

2人とも仕事で遅くなるって。

…まさかとは思うけど、スマホ見てないの?

どうせ、通知オンにしてないんでしょ?

(溜息)はぁ…。

…あのさ、お兄。
大事な用事とかお誘いとかが来たら、どうするの?
気付かなかったら、損するの自分だよ?
分かってる?

通知オフってるとか、現代人としてあり得ないからね?
今すぐオンにしときなよ。

『やり方分かんない…』って、おじいちゃんか!

…仕方ないなぁ。
スマホ貸して。
やってあげる。
今回だけ特別だよ?

(兄からスマホを借りる)

(スマホいじりながら)ん?
バスタオル1枚でいちゃダメ?
お風呂あがりなんだもん。

今日暑かったじゃん。
めっちゃ汗かいて、いろいろヤバくて先にお風呂入ったの。
で、さっきお風呂から出てきたばっかだから、まだ暑くて…。

いいじゃん。
知らない人に見られるわけじゃないんだし。
見られるとしても、お兄だけだもん。
家族に見られても全然恥ずかしくないよ。

ヤダってば。
まだパジャマ着たくない。
あーつーいー!

(湯冷ゆざ)めする前には、パジャマ着るから。

うん。
約束する。
だから、今はこのままでいさせて。
お願い…っ!

やった!
お兄、大好き!

はい。
スマホ返すね。

それにしても、お兄のスマホの中身悲しいね。

女っ気ゼロ…。
悲しいくらいに何もなかった…。

ちょっとくらい(のぞ)いたっていいじゃん。
減るもんじゃあるまいし。

彼女の話ふってもはぐらかすお兄が悪い。
そこんとこ、妹としてちゃんと知っておきたいのにさ…。

いい歳なんだし、彼女の1人や2人いてもおかしくないじゃん?
それなのに、スマホの中のどこにも女の人の名前が全くないのはどうなの?

妹として心配してるの。

もしかして、実はお兄……”そっち系”の人?

大丈夫だよ。
別にあたしそういうの気にしないから。
恋愛に性別は関係ないし。
むしろ隠される方が気になっちゃうタイプっていうか…。
いい機会だし、カミングアウトするなら今だよ?

ふぅーん。
違うんだ…。

じゃぁ、なんで彼女いないの?
(身内贔屓みうちびいき)じゃないけど、お兄はそこそこ優良物件だと思うのに…。

別に彼女作ってほしいわけじゃないし!
いないならいないで、その分あたしに構ってくれればいいの。

いいじゃん。
シスコンでも。
兄は妹を構わなければならないって決まってんだよ?

知らないの?
これ、常識なのに…。

はいはい。
じゃぁ、いつか彼女できたら、会わせてね?
あたしがお兄の彼女に(相応ふさわ)しいか見極めてあげる。
こう見えて、あたし、人を見る目はあるから。

…約束だよ?

さてと……パジャマ着て、ご飯の準備しちゃおっかな。
お兄もお風呂入ってきて。

……何?
ジッとこっち見て…。

『着替え見たい』とか言わないよね?

はぁ!?
バカっ!バカっ!バカっ!
お兄のバカっ!
エッチっ!
変態っ!
スケベっ!

妹の裸見たいとか、ヤバすぎ…。
ってか、そもそも、あたしの裸は安くないんだからね!

ほら!
さっさと出てって!

エッチぃお兄なんて大っ嫌いっ!