(リビングでテレビを見ている2人)
もうすぐ年明けだね。
…こうやって2人きりで静かに過ごすのも、しばらくお
だって、そうじゃん。
来年の今頃はお腹の子も生まれて、新米パパとママでバタバタしてさ…。
3人になって、きっと
(笑いながら)想像できるでしょ?
ねぇ。
いつまで俺の隣に座ってるの?
毎年恒例の年明けの仕方。
忘れたとは言わせないよ?
…毎年、ギューして、くっついて年明けてるじゃん。
…もう…。
意地悪してないで、俺の膝の間、座って。
早く、早く。
今年は後ろからギューさせて。
ほんとは、いつもみたいに向き合ってギューしたいけど、お腹押し潰しちゃったらいけないでしょ?
だから、今年は後ろから。
ね?
(彼女をバックハグする)
今年もいろいろあったよね。
結婚のための挨拶に行ったのが春くらいだっけ?
いやぁ…今思い出しても緊張する…。
君のご両親とは何度も会ってるけどさ、一応ケジメみたいなもんじゃん。
「ちゃんと言わなきゃ!」って緊張しすぎて、「娘さんと結婚させてくだしゃい」って、最後の最後で噛んじゃって…。
あまりのダサさと恥ずかしさで、あの時ほど逃げ出したいと思ったことはないなぁ。
ちょっとー!
思い出して笑うのとか、やめてくれない?
傷つくんですけど。
そういえば、あの時も、笑い
気づいてないとでも思った?
ちゃんと気づいてたよ。
バレないように我慢してたんだろうけど、めちゃくちゃ肩震えてたもん。
フォローの1つくらいしてほしかったよ、ほんとに…。
その後も、なんだかんだバタバタしてたら、あっという間に結婚式の日になって、新婚旅行行って…。
新婚旅行から帰ってきても、結婚したって実感が全然湧かなくてさ…。
夢見てるような感じだった。
ほら。
俺たちって、同棲が長かったじゃん。
いつもと変わらない毎日だから、余計にね。
それが大きく変わったのが、お腹の子ができた時かな。
しばらくは2人で…って言ってた矢先にできちゃって…。
嬉しかった反面、怖かったんだよね。
うん。
実はそうなんだよ。
1人でビビってた。
「俺に2人を守れるだけの力があるのかな。守れなかったらどうしよう」って、悪い方にばっか考えがグルグルしちゃってた。
でも、俺よりも不安だったのは君の方で…。
夜中にこっそり泣いてたの、知ってる。
『ちゃんと産めるのかな』『ちゃんと育てられるのかな』って
絶対俺が2人とも守るって。
うん。
俺の命に代えても、絶対守り抜く。
君も、お腹の子も、俺にとって同じくらい宝物だもん。
あっ!
カウントダウン始まる。
10…9…8…7…6…5…4…3…2…1…
明けましておめでとうございます。
今年は去年以上にいろいろあって大変だと思うけど、2人で協力して乗り越えていこうね。
今年もよろしく。
大好きだよ。
(触れるだけのリップ音) ※ 省略可