熱深せいじ
voice:熱深せいじ
せいたCH
voice:せいたCH

【R15】お菓子をくれない黒猫にはイタズラを

ただいまー。

(溜息)はぁ…。
今日も疲れたぁ…。

(わざとらしく)あれぇ?
こんなとこに黒猫がいる。
迷い猫か?

よしよーし。
おいで。

おっ!
(人懐ひとなつ)っこいなぁ。 (※ わざとらしいのは、ここまで)

何、笑ってんの?

わざとらしかった?

仕方ないじゃん。
こういうの下手なんだもん。

ん?
両手出して…どうしたの?

あぁ!
『トリック・オア・トリート』ね。

えっと……はい、あげる。

うん。
今日がハロウィンって知ってたよ。
だから、用意しといたの。

えっ……何で怒ってるの?
ここのお菓子好きって言ってなかったっけ?

好きならいいじゃん。
いらないなら、俺食べちゃうけど……どうする?

いるなら、最初から受け取っとけばいいのに…。
素直じゃないんだから。

それにしても、かわいいね。
この衣装。
猫耳に……しっぽも付いてるんだ。

クルッて回ってみて。
全体見たい。

うわぁ…すっごく似合ってる。

似合ってるんだけど、ちょっとエッチくない?

スカート短すぎでしょ。
ちょっと(かが)んだら、パンツ見えそう…。

(スカートをめくろうとする)

痛っ!
叩かなくったっていいじゃん。

…分かったよ…。
もうめくったりしない。

しないから、「ニャー」って言って。
1回でいいから。

いいじゃん。
減るもんじゃないんだし…。

ね?
お願い。

…ヤバすぎ…。
最高にかわいいっ!

今の動画で撮っとけばよかった…。

もう1回言ってよ。
今から動画撮るから。

えぇー!?
…ケチ。

ふふ。
ごめん、ごめん。
本物の猫みたいだなぁって思ったら、笑えてきて…。

さっきまですり寄ってきてデレてたのに、今はツンってそっぽ向いてる。
めちゃくちゃ猫っぽくて、いい。

バカになんかしてないって。
俺は好きだよ。
猫っぽい君も。

ねぇ、ねぇ。
……トリック・オア・トリート。

俺にも、お菓子ちょうだい。

自分だけ(もら)おうなんてズルくない?
俺だって欲しい。

ね?
俺の分は?

ないの!?
うわぁ…ショック…。

……ちょっとっ!
外暗いのに、どこ行くの?

買い物?
なんで?

わざわざお菓子買いに行かなくていいよ。
その服で買いに行ったら、いろいろマズいって…。

(独り言っぽっく)自覚してないあたり、ほんと(たち)悪いなぁ…。

もういいから、お菓子は。

『でも』も『だって』も、なし。
お菓子をくれなきゃ、どうなるんだっけ…?

そ。
イタズラされちゃう。

とりあえず、お(しゃべ)りなお口はチャック…しよっか…。

(濃厚なリップ音)

甘ぁーい。
もう君がお菓子みたい。

もっと、もっと食べたい…。

(濃厚なリップ音)

ん?
これもイタズラだよ。
勝手に唇を奪われるっていうエッチぃイタズラ。

…エッチぃキスされるの……好き?

あれ?
違うの?

…おかしいな…。
エッチぃキスしてる時、いつもいい声で()いてるんだよね。
『気持ちいい』って…。

恥ずかしいの、隠してもバレバレ。
耳まで真っ赤だよ。

…かわいい。

もっと()いて。

(濃厚なリップ音)

まだキスしかしてないのに、もう(とろ)けてる。
こんなエッチぃ黒猫は、ほかにいないね。

(耳元で)大好きだよ。
最後まで責任持って飼ってあげるから安心して。

…嬉しそうな顔しちゃって…。

もっとイタズラされたいなら、君からキスして?
上手にできたら、『もうイヤ!』って言うくらいイタズラしてあげる。

…ん。

(彼女から触れるだけのキス)

物足りないけど……まぁ、合格。

じゃぁ、ベッド行こ。
そこでいっぱいイタズラして、とことんかわいがってあげる。