【雨の音】 ※ 最後まで流しっぱなしでお願いします。
ん…おはよ…。
今、何時?
…もう少し寝よ。
デートの準備、もう少し後でも全然余裕じゃん。
(布団の中でもぞもぞする)
ってか、体、大丈夫?
痛かったり、つらかったりしてない?
…昨日、無理させてごめんね。
君を前にしたら
あんなに激しくするつもりなかったんだけど…。
でも、半分は君も悪いんだからね。
俺の理性ぶっ壊すようなこと何度も言うから…。
ほんとだよ。
記憶ないの?
いつもの君なら絶対言わないようなこと言うんだもん。
最初のうちは理性で
まぁ…それだけ、お互い求め合ってたってことだよね。
(あくび)ふぁ…。
ん…やっぱりまだ眠い…。
こっちおいでよ。
くっついて寝よ。
1人で寝るのは寂しいし、寒いからヤダ。
ベッドから出ちゃダメ…。
(彼女を抱き寄せる)
……ねぇ、なんで俺のTシャツ着てるの?
着替え、ねぇ…。
いいじゃん、服着なくても。
デートは昼からなんだし。
朝は昨日の続きのイチャイチャしよ?
イチャイチャするのに、服いらないでしょ?
どうせ脱ぐんだから。
ほら、ばんざいして。
脱がせてあげる。
…『寒いから脱ぎたくない』?
えっと…今暖房28℃でかけてるから寒くないはずなんだけど。
服着なくても大丈夫なように、ちゃんと加湿器も暖房も昨日の夜からつけてたよ。
ほかに言い訳は?
ふふ。
俺を言い
諦めて、大人しく脱がされなさい。
(彼女がくしゃみをする)
えっ……くしゃみ?
やっぱり、寒い?
風邪のひき始めかな?
熱は?
ほんとにないの?
おでこ触るよ。
……確かに熱はなさそうだけど…。
『大丈夫』じゃないの。
こういうことは最初が
黙って俺の言うこと聞いてて。
(ベッドから出て彼女の着替えを探す)
えっと……着替え、着替え…。
(彼女が後ろから抱きついてくる)
こらっ!
今、君の着替え探してるんだから邪魔しないの。
抱きついてくれるのは嬉しいけど、あとにして。
……花粉症?
もうそんな時期だっけ?
そっか…。
もう飛んでるんだ、花粉。
自分が花粉症じゃないから全然気づかなかった…。
確かに毎年、今くらいの時期になると超不機嫌だもんね。
でも、今日は機嫌よさそう…?
何かあった?
『雨だから』?
えっ!?雨!?
うわぁ…めちゃくちゃ降ってるじゃん…。
一緒にいられることに浮かれてて、雨降ってるの、今の今まで気づかなかった…。
こんなんじゃ、デート行けないじゃん…。
久しぶりにデートできると思ってたのに…。
この時期の雨、ほんと嬉しそうだね。
いつもなら『雨、最悪!』とか言ってるのに。
やっぱり花粉が飛んでないと
へぇー。
そうなんだ。
…今日はお家デートに変更しよっか。
雨だし、濡れるとほんとに風邪ひきかねないからね。
昼から晴れるの?
スマホ見せて。
あっ……ほんとだ…。
でも、今日はお家デート。
雨の後、外出たら今度は君がつらくなるよ?
『雨で落ちてた花粉が舞い上がってつらい…』って言ってたの覚えてるんだからね。
バレバレなの。
無理してまで出かけようとしなくていいよ。
その気持ちだけで十分。
俺は花粉症じゃないから、そのつらさは分かってあげられないけど、せめて君が
今年はどうなの?
症状つらい?
いつも通りか…。
なら、薬飲んでるよね?
じゃぁ、薬飲むために朝ご飯食べよ。
って言っても、
ある物で作ってくれるの!?
ありがと。
着替え……は、もういっか。
俺のズボン履いたところで大きすぎて履けないもんね。
Tシャツがワンピースみたいになってて、かわいいからそのままでいてよ。
ヤダ?
なんで?
『お尻が見える』?
いいじゃん。
俺以外の男に見せるわけじゃないんだから。
(彼女のおなかの虫が鳴く)
ハハハ。
思いっきりおなか鳴った。
体は正直だね。
ほら、文句言う暇があったら、さっさとご飯作って食べちゃお。
俺も手伝うからさ。
朝ご飯のあとは……分かってるよね…?