ふたたび るびぃ
voice:ふたたび るびぃ
ぷれんと【VOICE】
voice:ぷれんと【VOICE】
山下さんから着信です
voice:山下さんから着信です

彼女が自分以外の男と楽しそうに話しているのを見て嫉妬する彼氏

忙しいのに、今日はごめんね。
会社のパーティーに付き合ってもらって…。

そんなに(身構みがま)えなくて大丈夫だよ。
そこまで(かしこ)まったパーティーじゃないから。
君は俺の隣で立ってるだけでいいよ。

ある程度の時間が()ったら、2人で抜けよ。
それまで少し我慢してね?

(同期に対して)おー。お疲れ。
探してたって…俺を…?
(挨拶あいさつ)
誰に?
…あぁ……あの人、来てるんだ…。
行きたくないけど……仕方ない…。

ごめん。
ちょっと行かなきゃいけなくなった…。

1人にしちゃうけど、大丈夫?
俺がいなくなって、誰かに声()けられても、ついて行っちゃダメだよ?
すぐ戻ってくるから。
いいね?

じゃぁ、行ってくる。

(少し間を開ける)

さっさと解放してくれっての…。
ツレがいるの分かってて、引き()めるんだもんなぁ…。

ここにいないか…。
だとしたら、あっちで料理食べてるのかな?

えっ……なんでアイツと一緒…?
しかもあんな楽しそうな顔…。
なんかムカつく…。

ごめん、お待たせ。

(同期に対して)おい。
彼女が俺のツレって分かってて声()けただろ。
勝手に手ぇ出してんじゃねぇよ。
あっち行け。
シッ、シッ!

1人にしてごめんね。
俺の方はもう終わったよ。

…ねぇ。
アイツと楽しそうに話してたけど、何、話してたの?

ほっぺ赤くしてさ…嬉しそうに笑って…。
最近、君のあんな顔見てないんだけど…。

なんで困った顔するの?
なんで教えてくれないの?
俺に話せないような話だったの?

…ちょっとついて来て。
会場にはもういなくて大丈夫だよ。
(挨拶あいさつ)も全部()ませてきたし。

今、俺が用事あるのは君だから。
(だま)ってついてくればいいの。

(少し間を開ける)

【ホテルの部屋のドアを開ける音】

この部屋に入って。
今日泊まる部屋だから気にしなくていいよ。

お酒飲んでベロベロになることを(想定そうてい)して取っておいたんだ。
()えるような雰囲気じゃなくなったけど…。

【ホテルの部屋のドアを閉める音】

ここなら、話せるよね?
アイツと話してたこと。
ほら、話してよ。

怒らない。
絶対怒らないから。
約束する。

会社での俺の様子を聞いてただけ?
ほんとに、それだけ?
(口説くど)かれたりしてない?
『今度ご飯行こう』とか『連絡先教えて』とか…。

されたの!?
それで、その誘いに乗ってないよね?

(溜息)はぁ…。
よかった…。

ごめんね。
君を1人にした俺が悪いのに、勝手に(嫉妬しっと)して、イラついた気持ちを君にぶつけた…。
アイツに向ける君の顔があまりにもかわいかったから…。

俺以外の奴にあんな顔見せちゃダメだよ。
絶対だからね?

ん?『耳貸して』って…なんで?

いいじゃん。
普通に話せば。

どうしても?
……なぁーに?

(彼女に内緒話される)

ふふ。
ありがと。
俺も君にお返ししたいから、耳貸して。

(内緒話で)俺も、だぁーい好き。

【携帯のバイブ音】

……電話かな。
君は気にしなくていいよ。
どうせくだらない用件だから。

仕事はもう終わったの。
これからは俺たち2人だけの時間。
誰にも邪魔させない。

【画面をタップして、バイブ音を消す】

今からは俺だけを見て。
俺だけに集中して。
いい?

(濃厚なリップ音) ※ フェードアウトしてください。