テストで1番を取るために先輩の『初めて』を欲しがってきた年下彼氏

先輩、今日はありがとうございます。
先輩もテスト勉強あるのに、俺につき合ってもらっちゃって…。

どうしても先輩に教えてもらいたくて…。
先輩に教えてもらえたら、きっといい点取れると思うから。

だって、好きな人に教えてもらうと、がんばろうって(気合きあ)いが入るでしょ?

ふふ。
今日はよろしくお願いします。

(早速さっそく)なんだけど、教えてほしいのは数学なんです…。
今回はどうしてもいい点取らなきゃいけないから…。

『どうして』って…。
今は(内緒ないしょ)
あとで教えてあげるかもだけど…。

『先に教えて』って…。
……ヤダ。
ヤダって言ったら、ヤダ!

もう!いいでしょ!
この話は、もう終わり!
勉強始めましょ。

【ノートに文字を書いてる音】 ※ 少し長めにお願いします。

ん゛~、分かんない…。
先輩、助けてください…。

この問題なんですけど…。
全然()けなくて…。
昨日授業でやったとこだから、ノート見ながらやればできるはずなんだけど、まったく分かんないんです…。
ここから、どうやればいいんですか?

(相槌数回打つ)

なるほど…。
ちょっと見ててもらっていいですか?

ここを…こうやって…こう!
正解?

やった!
じゃぁ、次の問題も見ててくださいね?

えっと…この公式使って…こうして…こう!
どうですか?

ほんと!
また正解!?

先輩に教えてもらってるからかな。
数学、好きになりそうです。
ほんとですって。

先輩が俺の数学の先生になってくれたらなぁ…。
そしたら、いつもクラスで1番の成績取るのに…。

だって、先輩にかっこ悪いとこ見せたくないじゃないですか。
…かっこいい俺だけを見てもらいたいから。

……あのね、勉強始める前の話なんですけど。
俺、数学のテストで、次、(赤点あかてん)取ったら夏休みに補習に来ないといけなくて…。
どうしても(赤点あかてん)だけは(回避かいひ)したいんです!

先輩と過ごす夏ですよ?
一緒に行きたい場所、いっぱいあるんです。

遊園地、水族館。
花火大会にプール!
海も行きたいなぁ。

先輩と夏の思い出をいっぱい作りたいんです。
だから、補習なんて受けてる時間はなくて。
夏休み全部を先輩との思い出を作る時間にしたいから。

…ダメですか?
…ほんとにダメですか?

うぅぅ…先輩の(意地悪いじわる)…。

『遊んでばっかはダメ』?
もちろん、課題もちゃんとやりますよ。
(小声で)…最終日にだけど。

えっ!?
今日みたいに一緒に勉強してくれるんですか!?
ほんとに?
嘘じゃないですね?

やりますっ!
先輩と一緒にやりますっ!
俺、がんばりますからっ!

やったぁ~!
めちゃくちゃ嬉しい。

いっぱい夏休みに思い出作りましょうね。

…でも、一緒に夏休みを過ごすためには、まずはテストを攻略しないとですよね。
(溜息)はぁ…。
ヤダなぁ…。

…ねぇ、先輩。
もしも、次の数学のテストで俺がクラスで1番取ったら、ご(褒美ほうび)ください。

ね?いいでしょ?
俺、めちゃくちゃがんばりますから。

やった。
ん~、何がいいかなぁ…?

あっ!そうだっ!
先輩の『初めて』をください。
お願いします。

…いいんですか?
『そんなの無理』って思って、(安請やすう)()いしたでしょ?
絶対(後悔こうかい)しますよ。
俺、本気出しますからね。

よしっ!!
俺、絶対クラスで1番取ります。

だから、先輩も逃げずに、その時を待っててくださいね。