※途中で自分の名前を名乗る箇所が1か所あります。
ご注意ください。
<以下本文>
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こんばんは。
(驚く彼女)
ごめんなさい。
いきなり声を掛けたから驚いちゃいましたよね。
パーティー、楽しんでますか?
(彼女、『ほっといて』と言う)
いやいや。
ほっとけるわけないですよ。
寂しそうな顔してるのに…。
えぇ。
今も、とっても寂しそうな顔してますよ。
『私に声を掛けるな』オーラ出しながらね。
このパーティーに参加したのは、誰かの付き添いですか?
実は僕もなんです。
だから、つまんなくて…。
せっかく高い会費を支払ったんだし、元がとれるくらいには飲んだり食べたりしてやろうって思ってます。
ここだけの話、食い意地だけは人一倍あるんで。
(彼女、笑う)
ふふ。
やっと笑ってくれましたね。
貴女の笑顔、とても素敵です。
あっ、自己紹介が遅くなってすみません。
僕は【自分の名前】です。
(彼女、自己紹介をする)
……ん?
あの……間違ってたらごめんなさい。
小学6年の時、飼育係だったりしませんでしたか?
やっぱり!
俺だよ!俺!
一緒に飼育係してたじゃん。
(彼女、当時のことを思い出す)
思い出した?
忘れてても仕方ないって。
卒業して何年も経ってるんだし…。
改めて、久しぶり。
元気してた?
(彼女が近況を話す)
ふぅーん。
ん?俺?
俺はまぁ、ぼちぼちだな。
ここんとこは毎日仕事に追われて、家と職場を往復する日々…。
(おちゃらけて)おかげさまで、恋人を作る時間もございません。
ってか、同窓会全然来ないじゃん?
そ。
同窓会。
正確には、同窓会という名の飲み会だけど…。
連絡来てない?
来てるなら、来いよ。
皆待ってるのに…。
次の同窓会は来る?
日にちは知らない。
まだ連絡ないし。
たぶん年末じゃない?
(彼女、『行く』と返事する)
ん。
俺から幹事のヤツに『行く』って連絡しとく。
いいよ。
俺も「行く」って連絡するついでだし。
一度『行く』って言ったんだから、当日になってドタキャンとかすんなよ?
でさ……お前に会ったら、言いたいことがあったんだわ。
謝らなきゃいけないこと…。
最後の飼育当番の時の話なんだけど、あの時はごめん。
すごくイヤな言い方して傷つけた…。
何度も謝ろうとしたんだ…。
でも、うまくタイミングが掴めなくて、時間だけが過ぎてって、余計に謝りにくくなって…。
今更どの
許してくれるのか?
ありがと。
え?
『あっち』って何?
あぁ……チラチラ見てる子たち…。
もういい。
すでに話したし。
どうでもいい話、
マジで。
(彼女、『モテモテだね』と冷やかしてくる)
モテてない。モテてない。
あの子たちは俺を見てるんじゃなくて、ただ連れて歩きたいだけ。
周りに自慢したいだけ。
よーく見てみ?
あの子たちの顔見りゃ分かるじゃん。
分かんない?
(呆れた溜息)はぁ…。
とりあえず、恋人探す前に人を見る目を養った方がいい。
今のままじゃ変なヤツに引っかかりかねない。
……たとえば、俺みないな……ね?
このあと時間ある?
なら、俺の行きつけのバーがこの近くにあるから、そこで飲み直そ。
今日までの話とかゆっくりしたいし。
大丈夫だって。
俺たちが抜けたところで誰も気づきゃしないよ。
……じゃぁ、壁の花のままでいる?
それはそれでつまんないだろ?
だったら、俺と行こ。
絶対つまんないなんて思わせない。
約束する。
(彼女、彼について行くことを決める)
ん。
決まり。
ほら、堂々と胸を張って。
しれっとした顔で自分の荷物持って。
そ。
そんな感じ。
堂々としてれば、誰も気づかない。
気付くヤツがいたら……(悪ガキっぽく)その時はその時だ。
行くぞ?
(二人で会場を去る)