（人気のないところで隠れている先輩）
（近づいてくる足音）
（独り言っぽく）こんなとこに先輩がいるわけ……あっ……いた…。
やーっと見つけたー！
ずっと探してたんすよ？
確認してもらいたい資料があって…。
って、どうしたんすか？
顔赤いっすけど、調子悪い？
『体がおかしい』？
だったら、仕事なんかしてないで早退しないと…。
なんで早退したくないんすか？
調子悪いんでしょ？
（先輩、説明し始める）
（相槌数回）
ふぅーん。
栄養ドリンクの差し入れ、ねぇ…。
そんな話、俺、聞いてないっすよ。
今、先輩から聞いて初めて知りました。
ほんとっす。
たぶん、先輩しか言われてないっすね。
で、その言葉を信じて、栄養ドリンク飲んだら体がおかしくなった、と…。
……そっか。
こう言っちゃなんですけど、騙されたんじゃないっすか？
今までの話と今の先輩の現状から察するに、栄養ドリンクの中身は100%媚薬。
先輩のことを狙ってる誰かが『エチエチモードになった先輩をあわよくば…』なんて考えて、仕込んだに違いないっす。
今頃、必死になって探してるかも…。
（静かに怒ってる感じで）ねぇ、先輩。
コレが冷蔵庫の中に入ってるって教えたのは、誰なんすか？
怒ってないっすよ。
全然怒ってない。
コレを先輩に飲ませようと企んだヤツにお礼しないといけないなと思っただけなんで…。
教えてください。
誰なんすか？
どうしても教えてくれないなら、先輩の体に直接聞きますね。
（濃厚なキス）
媚薬が効いてるとはいえ、キスしかしてないのに、なんて声出してるんすか。
『だって…』じゃないっすよ。
そもそも、茶色い瓶の中身がほんとに栄養ドリンクか分かんないのに簡単に口にしたから、こんなことになってるんすよ？
事の重大さに気付いてます？
（自分を抑えるような深呼吸1回）
…先輩、無理だと思うけどちょっと抑えて…。
色っぽい声出して煽られると、我慢できなくなりそう…。
分かってますよ。
ここが会社だってことくらい。
でも、今の先輩がエロすぎて、理性がどんどん溶けてく…。
（彼氏、先輩の太ももに当てる）
ほら……ね？
俺のも、こんなになっちゃった。
エロすぎる先輩の中に俺のをぶち込みたい。
今すぐに。
……先輩、資料室行こ。
あそこなら、基本誰も来ないから少しくらいエッチぃことしても大丈夫なはず…。
……ダメっすか…。
だったら、このまま二人で早退して、ホテル行きましょ？
それなら、いいでしょ？
先輩はいいんすか？
このままで。
時間が解決なんかしてくれないっすよ。
この手のものだと、何回も何回もイって、やっと楽になるヤツだと思うし…。
えっ！？
いやぁー……そのぉー……なんで分かるかと言いますと……マンネリ防止用に買ったことがあって、自分で試したからっす…。
結果から言うと、出なくなってもギンギンでした…。
収まったのは、半日後くらいだったと思います。
なので、ここで時間が過ぎるのを待ってても無意味ってこと。
分かってくれました？
なら一旦、資料室に行きましょ。
ここで待ってるよりは安全だと思うんで…。
不安そうな顔しなくても大丈夫っす。
時間かかるけど、ちゃんと戻ってきますから。
すぐに戻るのは無理。
コレ、このままにして、歩き回るわけにはいかないでしょ？
明日から変態呼ばわりされるのだけは、勘弁っす。
なので、一旦ムスコを落ち着かせてから先輩と俺の早退を申請して、荷物持ってきます。
戻ってくるのは……10分くらいかな？
それまで一人で待っててください。
できますね？
じゃぁ、俺に掴まって。
お姫様抱っこして連れて行きます。
『イヤ』じゃないっす。
そもそも、生まれたての小鹿みたいな足で歩けるんすか？
歩けないっすよね？
歩けたとしても亀さん並みのスピード。
今の先輩を誰かに見られてもいいならいいっすけど…。
…どっちがいいっすか？
ん。
危ないっすから、しっかり掴まっててくださいね。
（彼、先輩をお姫様抱っこして歩き出す）
気にしないでください。
先輩の世話は彼氏である俺の特権っすから。
（耳元で甘々な感じで）いろいろ世話焼いたお礼は、あとで体で全部返してもらうんで……覚悟しててくださいね。