ん……何時…?
まだ全然寝れるじゃん…。
もうちょっと寝よっと…。
(布団にもぐり直す)
あっ……ごめん。
起こした?
おはよ。
もう少し寝てていいよ。
起きるには早すぎるから。
春になって、暖かくなったとは言っても朝は冷え込むね。
こっちおいで。
くっついて寝よ。
その方が温かいから。
(彼女を抱きしめる)
ふふ。
温かいね。
あっ……日の出の時間かな。
カーテンの隙間から太陽の光が差し込んできてる。
俺、夜が明けようとするこの時間、好き。
なんか綺麗じゃない?
高校の頃は、毎朝、今くらいの時間に起きてたんだ。
部活の朝練があったから。
そしたら、だんだん空が白くなって、
まるで空が『今から夜が明けるよー』って言ってるみたいでね。
すっごく綺麗だったんだ。
それからかな。
朝を感じられる今くらいの時間が好きになったのは。
まぁ、今は
しかも、この時間の空って、いろんな色が混ざり合ってて、まるでパレットみたいなんだよ。
いつも見てるただの風景なのに、1枚の絵みたいなの。
だからって、毎日同じ空かっていうとちょっとずつ違ってて。
『今日の空が1番綺麗だ』って思っても、次の日の方がもっと綺麗って感じたりするしね。
そこが奥深いっていうか…。
分かってくれる?
ほんとに?
うわぁ…嬉しい…。
今までバカにされることしかなかったから、共感してもらえてめちゃくちゃ嬉しい。
あとね、雲も綺麗なんだよ。
普通、雲って白色じゃん?
でも、この時間だけは光の加減で雲が淡い紫に染まって見えるのが、すっごく幻想的でね。
横に長く漂ってる景色とか、めちゃくちゃ綺麗なんだよ。
朝のほんの
あっ……ごめん。
寝れなくなっちゃったよね。
もう少し寝ようとか言いながら、俺が勝手に語り出したから。
ほんとごめんね。
俺、先起きてるから、君はゆっくり寝てていいよ。
起きちゃうの?
いいけど、眠くない?
大丈夫?
一緒に朝の空が見たいの?
…いいよ。
じゃぁ、コーヒー
今日はきっと今までのどの空よりも綺麗なはずだよ。
だって、君と一緒に見れるからに決まってるじゃん。
でも、君の方がずっとずーっと綺麗だからね。