気になる子の警戒心を解くために草食系を演じる肉食系男子

(デート中の2人)

(※最初は草食系男子な彼)

次、どこ行こっか?

(彼女、『そろそろ帰るね』と言う)

…『帰る』?

(彼、スマホで時間を確認する)

……そっか。
君と過ごす時間が楽しすぎて、あっという間だった…。

今日1日、付き合ってくれて、ありがとう。
すっごく楽しかった。

(彼女、『次はいつ会える?』と彼に聞く)

次って……また会ってくれるの?

うぅん。
イヤじゃない。
俺から誘っていいのかなって迷ってたから、誘ってくれて嬉しい。

俺の方はいつでも時間空いてるから、君の都合に合わせるよ。
いつなら会える?

来週末?
分かった。
待ち合わせの時間とか場所はまた相談させて?

ん。
またね。

(彼女、彼に背を向けて帰ろうとする)

(彼氏、帰ろうとする彼女の手を握る)

あのっ……!
……こんなことしたら、迷惑なのは分かってるんだけど……君ともう少しだけ一緒にいたい…。

ダメ……かな…?

(彼女、少しだけなら…と了承する)

『少しだけ』ね…。

うぅん。
俺の方こそワガママ言ってごめん。
付き合ってくれて、ありがと。

(※ここから肉食系男子に豹変)

具体的に、どれくらいなら時間に余裕ある?
日付変わるくらいまでならいい?

えぇー!?
たった10分!?

もっと一緒にいたい。

(彼女、『どうしても帰らないと…』と言う)

どうしても家に帰らないといけないの?
何か特別な理由があるとか?

(彼女、『特にない』と言う)

ないなら、別に遅くなってもよくない?
ってか、帰らなくてもよくない?

(彼女、彼が帰らせる気がないことに気付く)

…あっ。
バレた?

ふふ。
帰す気ないよ。
最初からね。

ん?
『さっきまでと違う』?

まぁ……そうだね。
いきなりガツガツしてると女の子って警戒するじゃん?
『体目当てなんじゃ…?』みたいな…。

そうなると、せっかく気になる子と一緒にいるのに、楽しい時間を過ごすことができなくなっちゃう。
そうならないために、女の子が心を許してくれるまで草食系を演じてたんだ。

ヤダなぁ……手あたり次第でこんなことしないよ。
君みたいに気に入った子にしかしない。

(彼女、本気で帰ろうとする)

待って。待って。
帰ろうとしないで。

(だま)すようなことして、ほんとにごめん。
でも、本気で君と一緒にいたいんだよ。

さっきまで『楽しかった。また会おう』って言ってくれたじゃん。
あれ、嘘なの?

嘘じゃないなら、なんで俺のこと避けようとするの?
俺と一緒にいるの、イヤ?

イヤじゃないなら、避けないで。
俺もこれ以上君の嫌がることはしない。

うん。
約束する。
君が俺の彼女になってくれるまで、ね。

言ったでしょ?
「君のことを気に入った」って。

(彼女、彼の彼女にはならない宣言をする)

へぇー。
どんなに優しくされても彼女にならない自信があるんだ…。

だったら、俺とゲームしない?
君が俺に堕ちるかどうか。

ゲームの期間は3ヶ月で、もし君が俺のことを好きになってくれたら、俺の勝ち。
その時は彼女になってもらう。

逆に、全然好きにならなかったら、君の勝ち。
君のことはすっぱり諦めて二度と目の前に現れないと約束する。

どう?

(彼女、彼がムキになっていることを指摘する)

…ムキになるのはかっこ悪いけど、仕方ないじゃん…。
あまりに君が俺のこと好きにならないって言うんだもん。

手に入らないものほど、欲しくて欲しくてたまんなくなんない?

(しょんぼりで)…なんないか…。

(彼女、ゲームに同意してくれる)

えっ!?
ゲームの相手してくれるの!?
ほんとに!?
やったー!

じゃぁ、優しい君に、ひとつ、いい情報をあげる。
俺に関する、とっておきの情報だよ。

ちょっと耳貸して?

(耳元で肉食系全開で)俺ね、今まで狙った獲物は逃がしたことないから。
逃げられると思わないでね?